活動報告 JBSA神奈川 2023年5月4日 任意活動

活動報告 JBSA神奈川 2023年5月4日 任意活動
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【活動日】2023年5月4日木曜日
【参加者】5名(順不同敬称略)
ブラインド:水田,殿垣内
サイテッド:秋山,副田,アラン
【使用艇】ルミナス(シーボニアマリーナ)
【天気】快晴
【気温】21℃
【風速】4から12メートル
【出港時間】11時34分出港 14時58分帰港
【航行時間】約2時間31分(水置き除く)
【航行距離】約19.55キロメートル
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【活動の様子】

● クライミング競技としてのヨット

「水田さん!早く!今のうちに向こうへ登ってくださいっ!」
タックしてすぐにオーバーヒールとなる風の中、ひとり分しかない狭いスペースで水田さんと密着し、タックの瞬間に反対側へ移るよう伝える。

しかし、水田さんにはまだ風の変化がわからないので、いつが風位でタックの瞬間なのかがわからない。あっという間にルミナスはヒールをし、水田さんのあとから私は右舷左舷の壁をクライミング競技よろしくよじ登る。

秋山さんに師事するルミナス練習は、いつもタック、ジャイブ、回航の繰り返し。タックのたびに、できるだけライフラインにはつかまりたくないので、小さなカムクリートに指三本でつかまるなどしてよじ登る。
こういうことが楽しくて仕方がない。

しかし、水田さんへのメインセールトリムの指導がおろそかだったのは悔やまれる所。
それでも水田さんは、パワフルにメインシートをひき、オーバーヒール気味になると少し出し、すぐにまた引くという動作を繰り返しながら、同時にトラベラーの上げ下げを支持してもそつなくこなす。しかも冷静沈着。10メートル前後の風と1メートル以上の波にコーフンしているのは、私とアランさんだけだったかもしれない。ざぶんと頭から波をかぶって大喜びの二人だが、どちらもいい歳のおじさんなのだ。自覚はない。

● ルミナス練習の実現まで

しかし、こうした素晴らしい練習日を迎えるのは、簡単ではない。今回も、1ヶ月以上前から日程調整。まずサイテッドのかたの日程を基準として参加依頼をさせていただき、次にブラインドの日程調整。
さらには当日の天候も味方してくれて、ようやく実現する。
そのほか、安全に乗れるように別日にメンテナンスをしてくださっている会員の努力や、JBSAのために様々なご協力をしてくださっている外部のかたがたもいて、楽しいセーリングを実現させていただいている。
これを26年以上に渡り続けてきてくださった方々に感謝。

● 練習内容を事前に計画

私はルミナス練習は、ALBAチームでも、任意活動によるグループ利用でも、頻繁にできるわけではないので、1回1回をとても貴重で大切な時間だと思っている。
そこで、たいていは、今回何を練習したいか、目標などをあらかじめ計画し、その時の参加者やスキッパーなどに希望を伝えている。今回の練習目標は次のとおりだった。

1.ルミナスの片付けの作法と艤装手順の確認(主にとのがいちとアランさん)
2.上下マーク回航の反復練習で動作を体で覚える(主に水田さんとそえださん)
3.誰と乗っても息を合わせられるよう意識して練習

おおかた実現できたと思うが、最後3番の息を合わせるというところは、アフターセーリングで実現。もちろん、ヨットの上でも、珍しいメンバー構成だったにも関わらず、強風下で割とうまく実現はしたとは思う。参加者のみなさんはいかがでしたか?

● カリカリウインチとバリバリティラー

楽しいセーリング実現のための要素のひとつであるメンテナンスだが、これも5月2日に神奈川支部会員と東京支部会員がおこなってくれていた。ウインチをばらしてクリーニングし、割れていたサブティラーのカッチャンをマジックテープシステム復活で修繕。
こうしたセーリングに出ない日の活動を支えてくれているJBSAの会員がいるからこそ、活動日に参加者はヨットに安全に乗ることができる

●ルミナス片付けの作法

前述のメンテナンスをしてくださったかたがたが、ルミナスの片付けかたとして好ましい方法を残していってくださったので、まずはそれを、秋山さんが解説している様子を録画。
本メールには、写真を動画から抽出して添付した。

ポイントは次の通り。

1.ブームエンドのアウトホールを伸ばしてスタボー上段のライフラインにテンションがかからないようにつける。
2.ブームに、ジブハリ、トッピング、フォアガイを巻き付ける。
3.ブームバング、アウトホール、カニンガムがデッキにつかないよう引っ張りマストに縦になるようまとめて固定。
4.バウポート側にスピンハリヤード、バウスタボー側にジブハリヤードを固定。
5.メンハリはポート側ライフラインにつけておく。
(動画では一部解説が上記と異なる部分があります。)

● タックジャイブより大切なこと

ルミナス片付けの作法を録画したり、艤装を勉強したりしていたため、出港が11時半と遅くなってしまったが、非常に大切な時間だったと思う。参加メンバーでルミナスのあれこれを共有できたことは、今後のルミナス運営にも役立つ貴重な時間。

ところで、お昼に一旦水置きエリアに戻り、船上とポンツーンでお昼を食べていたら、JSAF障がい者セーリング推進委員会のかたがきてくださった。秋山さんとは長いお付き合いのかたで、私は昨年から、この委員会に招いていただき出席させていただいてはいたが、オンラインのみで実際にお会いするのは初めて。

ルミナスの上で、ヨット界のうわさ話や笑い話、2013年に日本で開催したワールドブラインドセーリング選手権についての思い出話などをうかがう。

JBSAのために随分とご尽力いただいてきたかたで、今後もJSAF経由等で、色々とJBSAのためにお力をお貸しいただけるようで非常に有難い。

秋山さん曰く、こうした様々な方々とのお付き合いこそ、ヨットを楽しむために大切なことであり、「タックやジャイブの練習より大切」とのこと。

● 最後の練習項目の達成

後半のセーリンぐは、風速12メートルぐらい、波の高さもアランさんによれば1.5メートルにまでなり、ルミナスは制御が難しくなったため、一旦出たものの、結局マリーナに戻ってきた。
16時ぐらいに片付けが終了し、マリンルームで秋山さんがレースの基本を紙に書いて指導。水田さんはスマホで拡大しながら一生懸命学ぼうとしており素晴らしい。私はこの様子を録画していたが、残念ながら紙面は見えないが、貴重な時間を過ごせた。

17時にいざ帰ろうとしたときになって、私がわがままを言ってアフターセーリングを提案。秋山さんは、もっと早く言ってくれないと、夕食食べると言ってしまったと私をお叱りなりつつも、ご家族とご相談してくださり、秋山さんご自宅近くのJBSA関係者のお店へ。奥さま申し訳ございません。

結局21時半ごろまで楽しく美味しい時間を過ごすことができた。この場で、色々な話がでて、過去の誤解なども解け、すっかり皆、息が合い、今回の練習目標の3番目をクリアしてお開きとなった。

【追記:バスについて】

今回は、三崎口駅から京急バスの「三4」(漢数字の3に算用数字の4)で、油壺温泉いきに乗って「シーボニア入口」で降りるバスグループと、秋山さんのお車に乗せていただくグループに分かれてマリーナへ行きました。
バスの乗車時間は11分間、8時17分、43分、9時21分、9時57分の出発が関係しそうな時刻です。
帰りのバスは、15時38分、58分、16時18分、38分、58分、17時台も同じという具合の時刻表です。

報告書作成:殿垣内大介