第5回世界選手権2002 イタリア・ワールド選手権 小林崇
文 小林崇(B1 ブラインドメインシートトリマー)
プラクティス第1日目、始めて乗るプロタゴニストに慣れる間もなく20ノットを超える風にみまわれ、今回めんくらうスタートとなった。この艇は軽く、メインも大きいのでリーフせずにこの風の中を走ると風を逃してもウェザーとヒールが強く、コントロールが難しくなる。そして、海とは違ったうねりにバウがつっこむと、大きな衝撃とともに艇の方向が変わる。
さすがに、この日はその後、出廷中止になったが、とても気まぐれなこのガルーダ湖でレースをする以上、こんな状態にみまわれることはじゅうぶんに考えられ、空恐ろしくなった。
プラクティス二日目は風が治まる様子も無いため、艇の観察とシュミレーションを行い、イタリアンをたらふく食べて終わりとなった。
プラクティス最終日、雨があがるのを待っていよいよ本来のポジションでの練習が始まった。この日は、風が振れまわっており全体的に弱かったが、艇速の伸びと風に対する反応の良さを楽しむことができた。レース本番もこのような微風になることを願いつつプラクティスを終えた。 レース1日目、私たちB1ティーム全員がテュリッキーな風に驚かされた。
この湖ではポイントポイントで違った風が吹いていたり風力に差があったりする。自分たちの艇が止まっていても10メートル横の艇が風を受けて走って行くようなことが起きる。メインシートトリマーの私は、混乱しながらセールを風に併せていた。動かしすぎると艇速が落ちてしまうのでそのあたりのバランスが難しい。今回は、動かすことをなるべく最小限に押さえることを心がけていた。 二日目、長いこと風待ちが続いた後、1レースのみ行われた。
レース中、微風の時間が多く体重の軽い日本ティームにとって有利なはずであったが風がテュリッキーであることとその他もろもろがたたって残念ながら成績は振るわなかった。しかし、匂いのない澄んだ空気の中気持ちの良いセーリングを楽しむことができた。
いよいよ、レース最終日、少しでも良いポジションを取ろうとみんな気合いを入れて望んだ。そのかいあって良いスタートを切ることができたが、気合いが入りすぎて思うように艇を走らすことができず、・・・。ここでもやはりバランスが大切だと痛感しました。
ずいぶん大まかな記述で申し訳無いのですが気合いが入っていたこともありまして細かいレース風景は飛んでしまいました。
今回の大会では精神面においても技術面においてもバランスが大切なことを痛感しました。艇が思うように進まないとき、それぞれのクルーが一生懸命ジャストトリムはどこであるか模索します。これでばらばらにならないようにバランス良く統制するにはどうすれば良いか考えて行きたいと思います。でも、耳が痛いですが、何よりも練習かな?
最後に、いつもそばでサポートしてくださった皆様、そして応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。おかげさまで、イタリアの湖で貴重な体験をさせていただきましたし、美味しい思いもさせていただきました。