レポート2002年
文 篠原政敏
最初に私にとって残念な報告をしなければなりません。
これまで博多湾で「花鳥風月」の一員としてレースに参加して来ましたが、この9月を持って「花鳥風月」が解散し、ヨットを手放されることになり、博多湾でのレース参加は極めて困難な状況になってしまいました。したがって今後は博多湾のレース報告はできなくなると思います。
しかし、世の中というものは、不思議なもので、別の形で、ヨットの練習が細々ながら継続できるかもしれません。ただ、JBSAには馴染まないかもしれないので、どうしたものかと考えています。
8月、9月に体験した二つの事柄について報告します。
去る、8月の3日、4日に「ヨットエイド九州」のヨット体験試乗会が博多湾の小戸(おど)ヨットハーバーで行われました。菅原さんや黒田さんの紹介もあって、それに参加するとともに、参加者を募集するなど、微力ながら、お手伝いもさせてもらいました。
試乗会では、「有明」を使用して延べ23名ほどが参加して大盛況で、その障害者も総て視覚障害者となってしまいました。
初日の3日は、台風の影響があってセールを上げられない状態でしたが、翌日の4日は、絶好のヨット日和で皆さん楽しんでくださり、呼びかけ人としてもほっと一安心した二日間でした。
これが縁で、ヨットエイド九州の正会員ではないのですが、今月の14日には、大分県の県民体育大会のオープンヨットレースに障害者のティームを作って参加しようということになり、私もメイントリマーとして参加してきました。
別府湾の北浜沖合いから12マイルほど離れた杵築(きつき)沖までの片道レースで、風も普段はあまり無いのにこの日だけは7、8メートル程度と安定して吹き、天気も晴れたり曇ったりで清々しい一日でした。
スキッパーでコーチでもある歯科医師とヨットエイドの女性が二人、視覚障害者で左右のジブトリマーの二人の合わせて6名でレースを行いました。スタートはとても緊張する正に醍醐味どおりの競り合いですり抜けてトップ、しかし、ヨットの安定性に伴う重さ(バラスと比50%弱)もあってどんどん抜かれてかなり遅れて最下位でフィッシュとなってしまいましたが、それでも参加できたことにクルー全員大満足でレースを終えて分かれてきました。
私は福岡まで帰る列車の関係もあってレセプションには参加しませんでしたが、後日談として、健常者の皆さんから、スタートの素晴しさを褒められて皆さん喜んでおられたようでした。
豊後水道という所を初めて体験しましたが、昨年の暮れに玄界灘で体験したような波の感触を味わい、昨年を思い出してしまいました。爽やかな風と適度な波の上下動・船体を打つ波の音、大分空港を発着する遠くの飛行機の音、時おり遠くを通る船の音など、博多湾でも聞きなれた音でしたが、「花鳥風月」の解散の知らせを受けた直後だっただけにとても印象に残ったレースでした。
おそらく、これからは、ヨットエイド九州で彼らと一緒に練習させてもらうことになるかと思いますが、JBSAに籍を置きながら、ヨットエイドの会員のような形(実は会員の方が都合は良いのでしょうが)で続けても良いのだろうかと思案しているところです。
長くなってしまいましたが、浜名湖にもこれまでどおり参加しつつ別府湾での練習をして行けたらなあと思っています。