初めてのセーリングを体験して
文 大堀亨(東京都)
私は、去る2002年9月7日(土曜日)に開催された、JBSA日本視覚障害者セーリング協会のセーリングデイに初めて参加させていただきました。
ヨットなどというものはもともと高級なスポーツで、私などには縁の無いものと思っていましたが、この話を聞いたときぜひともヨットに乗ってみたいと思いました。
当日は予報ではあまり天気が良くないと言っていたのですが、ほとんど雨にも降られず、セーリング日和となりました。
私が、乗船したのは、ちこ2という30フィートほどの船で、私を含めて7名が乗船しました。
ヨットの各部分の構造や名称などを説明してもらった後、微速前進という掛声とともに静かにエンジン音がしてゆっくりとした速度でヨットはマリーナを離れていきました。ほどなく、別のマリーナから出たもう1艘のシグナスというヨットと合流しました。そして、スタッフの皆さんのチームワークで、手際よくセールが張られました。
エンジンが、止められ、いよいよセーリングの開始です。セールにいっぱいに風を受け、ヨットはゆっくり走り出しました。ほほに当たる心地良い風と波を切る水の音が聞こえ、何とも言えない感動が、押し寄せてきました。
もっと感激したのは、舵を握らせてもらったことです。船首に向けた顔の横から頬に風が当たるようにすることとヨットが、少し斜め傾く感じをキープするようにという指導を頂き夢中で、舵を操作しました。
そろそろ昼飯にしようと言われ、ふと我に帰ると何と1時間も舵を握っていました。その時、昼飯に食べた握り飯は、なんとも言えず、とてもおいしかったです。そうした後、2時間ほど色々なお喋りをしながら、セーリングを楽しみ元のマリーナに戻ってきました。
あっという間の3時間半でしたが、私にとって忘れられないとても有意義な時間でした。
JBSAのスタッフの皆さん、ちこ2のオーナーの皆さん、貴重な体験を本当にありがとうございました。機会を作ってまた、お邪魔したいと思っていますので、そのときは、宜しくお願いします。