2018年3月 東京支部 活動報告(お花見クルージング)

JBSA東京 活動報告
2018年3月31日土曜日

本に登場する人物と会えるということは、幸運だと思う。

特に、多くの人から尊敬されている人物なら尚更だろう。

海の知識や経験は豊富だが、ヨットに関してはあまりという著者が、

ご子息のヨットの知識と経験を頼り航海を始めるお話、

JBSAの会員のかたなら、読まれているかたも多いかもしれない。

竹内秀馬氏の「オールドヨットマンのソロ航海記」だ。

この本に登場する著者のご子息は、

淡々としていて落ち着いた雰囲気の青年というイメージを私は持った。

今回は、浜離宮へのお花見クルージングだ。
最初にマリーナで、協力艇バッカスに飲み物や食べ物を積み込む作業をした。

この時、一緒に荷物を運んでくれたかたが、私の視力ではどなたかわからず、

「Kさんかな?」と思った。

あほうどりに乗船し、気がつくと、そのKさんとおぼしき人物も乗船されていた。

しかし、ベテラン橋本さんが丁寧語でお話をされている。

そして、竹内さんと呼ばれているのを耳にし、「しまった!まさか…。」と思った。
だが、よく見えない目でお顔を拝見しても、あの私がイメージした青年とはだいぶ異なる。

それはそうだろう。この本の内容は、三十数年前のようであるし、

背格好やお顔は、私が勝手に想像したにすぎない。

結論を書けば、夕方ポンツーンをその竹内さんとお話しながら歩くまで、

私は本に登場する著者のご子息であることに、はっきりとは気がつかなかった。

実際の人物は、とても温厚そうなおじさまであった。

あほうどりに同乗したSさんと私は、無礼にも、ヨットの世界では神とさえ言われているらしいかたに、

のたのたとしたクリート結びを待っていただいたり、ジブセールのカバーの掛けかたを、

懇切丁寧に教わったりしていた。

先述したように、飲み物まで運ばせてしまったわけだが、竹内さんはとてもお優しく、

無礼な若輩者にも丁寧に接してくださる紳士であった。

尤も、レースとなるとモードが切り替わるという話も耳にしたが、

今回がお花見であったことに、私たち若輩者は感謝せねばなるまい。

さて、それでは今回のお花見クルージングについて。

あほうどりのメンバーは、サイテッドは、竹内さん、橋本さん、村上さん、Sさん
ブラインドは殿垣内の5名。

バッカスは、サイテッドは、谷下田さん、児玉さん、三場さん、Uさん
ブラインドは、安達さん、伊藤さん、小倉さん、菊池さん、多田さんの9名。

合計14名で、浜離宮へお花見に向かう。

天気は晴れ。気温はもう、あの寒さに耐える厚着をせずともよいほどになった。

夢の島マリーナから浜離宮へは、西に出ればすぐだが、

マストのあるヨットは橋をくぐれないため、東から大きく回っていく。

あほうどりは10時20分ごろ出航。目的地まで機走。1時間かけて若洲の埋立地を回り、

11時15分ごろ、東京ゲートブリッジをくぐる。

12時15分ごろ、レインボーブリッジを通過。浜離宮に到着したのは12時半すぎだった。

先に着いていたバッカスに横付けする。

今回のクルージングの名目は、お花見ということだが、実のところ浜離宮に海側からいっても、

桜はあまり見られない。

しかし、そもそも花より団子で、児玉おでん、谷下田ちらし寿司というものがあり、

参加者の多くは、花やセーリングよりも、今回はこちらが目的だったかもしれない。

私も早速バッカスに乗り移り、児玉さんのおでんをいただく。

もう他のおでんは食べられない。最高に美味しい。

バッカスの乗船メンバーは、なんと到着するまでに食べてしまったというので、

遠慮なく4杯おかわりをいただいた。

谷下田さんのちらし寿司は、ブラインドメンバーが食べやすいよう稲荷寿司に。

味の誉め言葉で、買ってきたもののようだと言うが、買ったものなど比較にならない美味しさで、

包み方も綺麗にぴしっと整っており、崩れることなく食べやすい。

もちろん大量にいただきたかったが、2個しか入手できず残念であった。

14時15分ごろ帰路につく。

15時40分ごろ、若洲沖で少しだけでもセーリングをしようということになり、

ジブセールのみ展開しランニングで走る。

いつもより遅めの16時半近くに帰港。

バッカスは、メインとジブの両方をあげて帆走し、6~7ノットでたらしい。

夕日が沈もうとしているマリーナはとても美しい。

あちこちの船で帰り支度をしている空気もまた、

祭りが終わった後の寂しさのようなものがあり、おもむきがある。

またヨットに乗れるといいなと思いマリーナをあとにした。
報告書作成:殿垣内 大介