初参加!

2002年6月23日

文 扇谷光伸

ジブセイルを見つめる扇谷氏の写真

曇り時々一時雨という天気予報は良い方に外れ、北寄りの軽風の中、幅広い参加者がセーリングからBBQまで皆で楽しめた、い?い一日でした。

朝9時に三崎口駅前に集合して、会員の車に分乗してシーボニアマリーナに移動。マリーナに直接集まった人達を加えると、20代から50代?までの男女総勢30人ほど。
まず自己紹介から始まりましたが、地元神奈川県のほか東京・千葉方面からも来ており、ブラインドの方が5名ほど、ドイツ人の方も数人混じり、帆走経験は大ベテランから初体験までという多彩なメンバーになりました。しかし皆さん一様に、帆走の期待に表情が輝いていたのが、とても印象的でした。
私は、他所での帆走経験は多少あるものの、油壺・相模湾の海面で、しかもブラインドの方との帆走というのは全くの未知の世界です。

3艇のクルーザー「チコ」「シグナス」「ルミナス」に分乗して、10時半ごろの出港になりました。マリーナを出ると、沖合いは周辺のクラブのヨットレースがいくつかあって、あちこちにスピンの花が開いています。
私は「ルミナス」(J24)でジブを担当させてもらい、油壺沖でひとしきり帆走トレーニングをして南下、穏やかな海面を滑るように城ヶ島を目指しました。広々とした眺めと心地よい潮風に、カラダ中の澱が洗い流されるようです。やっぱり海は最高です。

城ヶ島を左に見て反時計回りに一周し、城ヶ島大橋をくぐって油壺に戻るという四時間ほどのクルージングでしたが、サイテッドスキッパ秋山さんの針路・状況の助言を得てブラインドヘルムス川添さんが的確に舵を取ります。岬や島を過ぎるごとに風向や潮流が変わりましたが、見事な連係ぶりで大型クルーザーと互角に渡り合えた場面もあり、ひとときレース気分も楽しめました。

帰港してからのBBQは、手作りのカナッペに始まり、焼き鳥・焼き野菜の定番のあとは「ビール蒸しヤキソバ」、ドイツ直送の本場ソーセージまで登場するリッチなものでした。

今回初めてブラインドの皆さんと一日を過ごしましたが、自分が「サイテッド」であること(見えないことが普通の人にとっては、見える私たちの感覚のほうが例外的なのだということ)を、改めて認識しました。また、帆走中も、適切な環境を整えれば、ブラインド/サイテッドの区別無く、ともに等質の楽しみを分かち合えることも知り、自分に、そのコミュニケーションのノウハウが一切無いことに気付いて愕然としました。

ノウハウというよりも、思いやり・気配りといった本来普遍的なものから生まれる所作なのでしょうが、「見れば解る」「見えて当然」という晴眼者の都市生活では、なかなか身に付ける機会が得られません。まれに駅や雑踏でブラインドの方と一緒になっても、接し方が判らず、「かえって特別視しないほうが良いんじゃあるまいか」など思いつつ、日々を過ごしておりました。

これからは、JBSAの活動を通じてブラインドの皆さんと過ごせる時間が増えそうです。何分まだまだ未熟なサイテッド初心者ですが、ブラインドの皆さんと同じ心象風景を見られるよう、これから励みたいと思います。今後ともよろしくお願いします。
最後になりましたが、お誘い頂いた白子さん、ご指導頂いた秋山さん、裏方で活躍いただいた瀬川さんはじめベテランの皆さん、どうもありがとうございました。

ティラーを握る秋山氏、おにぎりを食べる川添氏の写真

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2002年6月23日