定期練習2006年12月2日
文 鈴木克己(JBSA東京)
日時 2006年12月2日 集合 夢の島10時
天候 晴れ、気温15度
風 出港時1?2メートル、のち7?8メートル
使用艇 あほうどり
参加者(敬称略)
サイテット(3名)橋本、竹内、二瓶
ブラインド(3名)安達、宮城、鈴木
サイテッドの参加2名のところへ急遽竹内さんが車で駆けつけてきてくれて、総勢6名で出港することができた。
「前回同様に風待ちだろうか?」と屋上の旗の動きを見ながら、サイテッドの指導を受けてブラインドも一緒になって出港の準備を行う。
デッキに上ると誰かが動くたびに船は揺れる。「とも綱」はどこですか?、もっと先ですか?、まだ行けますか?。」恐る恐るデッキを、這うようにしてとも綱をみつけやっとの思いでとも綱を解く。
11時出港。コックピットに戻ると全身から汗が噴きだす。
「JBSA旗を出すのを忘れた!」と私が言うと、橋本さんから「掲げてあるよ」との返事。最初に行う一番大切な仕事を忘れていた。
東京湾へ出てすぐセールを揚げる。
竹内さんの提案で、ブラインドの3人はメイントリマー安達、ジブトリマー宮城、ヘルムス鈴木が最初受け持ち順次交代して訓練することになった。コーチはトリマーコーチ竹内さん、ヘルムスコーチ橋本さん、バウマン二瓶さんが決まった。
練習が始まると風は次第に強くなってくる。クロスホールドでの練習がつづく。
それでは3人の息の合ったタッキングテクニックをご披露しよう。
1.「タッキング、準備」コーチ竹内さんから指示。
宮城:
風上のジブシートをウインチへ時計方向に巻いて、「風位の合図」で直ぐ引き込めるようにシートを握ったままで風下の席へ移動する。風下のウインチにとめてあるシートが「風位の合図」ですぐはずせるような体制を整える。このときジブシートが緩まないように片手で強く抑えておく。準備ができたら「ジブ準備終了」と伝える。
安達:
トラベラーを風上のカムからはずし、ブームが動かぬよう手でトラベラーシートとメインシートを抑え、「メイン準備終了」と伝える。
2.「タッキング開始」ヘルムスの鈴木が合図。
鈴木:
ティラーを風下へ静かに動かす。船足を落さぬよう船の方向を変える。
3.「風位!」ヘルムスコーチ橋本さんから合図。
宮城:
「風位」の合図で風下のジブシートを手早くウインチからはずし、片手に握っている風上のジブシートを素早く引き込む。引き込めたことを確認し、シートが緩まぬよう固定する。タック後の風上へ席を移動しヒールを抑える。ジブセールがそれまでの船の方向に対して対象位置になったのを確認する。
安達:
「風位」の合図で、素早く席を移し、タック後の風上へトラベラーを移動させカムで固定する。メインセールが船の方向に対して対象位置に移ったことを確認する。
鈴木:
「風位」の合図で、素早く席を移動し、ティラーを戻す。このとき、船の方向が風の向きに対して回り過ぎないようにする。
それぞれの動作が最初から合おうはずもない。特にジブトリマーはコックピットのコマネズミ同様。それでも繰り返しているうちに心のゆとりが生まれるのか。仲間の動きが見えてくるのか。一つのリズムができてくる。3人息が合って、うまく行った時は全身に快感が走り勇気が沸いてくる。
持ち場が換って再び練習をはじめる。そのたび、全員が初心者になる。再度0からのやり直しだ。
風は持ち場が変るごとに強さを増してきた。
風が強まると、トラベラーを動かすのは困難になり、センターに固定し、メインシートを強く引き風の流れを良くして走らせるようになった。
また、ジブセールは、ファーラーを少し巻き込みセール面積を狭めた。
ティラーはエクステンションを使い、ヒールを抑えるようにコックピットの外側で操作するようになった。
3人が全ての持ち場の練習を済ませ、昼食にしたときはだれもがほっと一息する思いだった。
風も強まりそうな雲行きのため、昼食後の練習は取りやめ、13時50分バースへ戻る。
サイテットの竹内さん、橋本さん、二瓶さん、ご指導ありがとうございました。
今日は2時間ではあったけれど普段の5?6時間分の練習になったのではないでしょうか。風の強弱の違いを一度に体験することもできました。
ブラインドの安達さん、宮城さん、お疲れさまでした。私もいつもとは異なる疲労感を覚えました。それでも心地よい汗をかき、今夜はよく眠れることでしょう。