第2回練習2005年4月16日
文 秋山淳
2005年4月16日(土曜日)、葉山マリーナにおいて第2回ヤマハ30Sトレーニングを行いました。
この日に向けての気象予報が前日に急転し、当日は北から寒気が入り込む影響で雷雲が発生、午後からは突風を伴った雷雨になるでしょう、と不穏な予報に大きく変化しました。
そのような中、ブラインド10名、サイテッド13名、何と23名が参加という大盛況となりました。事務局としては、当初予定の2艇を急遽3艇に増やすという慌ただしさ、うれしい悲鳴をあげています。
天候 晴れ
風 北東6?8メートル毎秒
使用艇 ヤマハ30S 3艇
ラバーボート 1艇
参加者(敬称略)
ブラインド 小倉、金輪、川添、田口、村井、安達、伊藤、岩本、福尾、新井
サイテッド 林、堀江、児玉、坂本、橋本、真下、安西、石田、渋沢、中尾、水内(新)、日高、秋山
午前9時30分、葉山マリーナに集合したメンバーは、東京2チーム、神奈川1チーム、と全日本を意識した3つのチームに編成しました。東京メンバーの意気込みには迫力を感じます。
今日のトレーニングの目的は、艇を真っ直ぐ、ベストスピードで走らせる基本練習。そのためにメインとジブのセールトリム、すなわちヘルムバランスの追及を、ブラインド、サイテッド共に、日高さんのコーチを受けながら勉強しようというものです。そして今日は、西村一広氏(数々の国際レースの経験を持ち、ACボートのニッポンチャレンジのメンバーでもあったプロセーラー)に、東京チームの1艇に乗艇していただける機会を得ました。
10時40分、マリーナ沖の練習海面へ向けて各艇出港。ラバーボートに乗った日高さんと秋山は、手早く風上・風下にマークブイを設置して3艇を待ちます。全艇そろったところで、早速練習開始。上下のマークを使って、アップウインドとダウンウインドの繰り返し、クローズホールドとランニングの基本練習です。それぞれの艇の5メートルぐらい後にラバーボートを走らせ、ラウドスピーカーから日高さんのコーチの声。「ヒールがオーバー気味!これではウエザーが強すぎてヘルムバランスが悪い。バックステーをもっと引いて!」「ジブのリーチが詰まり過ぎてメインとうまくスロットルしていない!ジブのリーダーをあと3ポイントうしろに!」などとかなりシビアーなテクニカルコーチングです。ブラインドヘルムスに対しては「背筋を伸ばして、肩の力を抜いて!顔は真っ直ぐ前を向こう!」、ランニングでは「首筋に風を感じるように集中して!」と、ブラインドセーリングの基本について繰り返し声をかけていました。
このように練習に熱中していると、時間の経つのも忘れてしまいます。ふと時計を見ると、既に13時30分を過ぎようという時間になっていました。天候は朝の予報がはずれたようで、寒冷前線の南下がどうも遅れている様子です。ハーバーを出る時は午前中で練習切り上げの覚悟で出たのですが、この感じだともう少し出来そうになってきました。
洋上で簡単なランチ休憩をとったあと、引き続き午後の練習再開。風は相変わらず北東7?8メートル毎秒のいい風が吹いています。今度は3艇横並びのクローズで、相手艇を見ながら自艇の走りをチェック。相手より上りの角度が悪い、あるいはスピードが出ていないなど、どこを修正すれば対等な走りになるかの勉強です。時おり8メートル毎秒超の風が吹く時間帯がありましたが、このような強風域の場合は、メインシートを一杯に引いておいて、ブームバングをガチッと効かせてメインのリーチを固め、あとはメインシートの出し入れでコントロールしていく方法、いわゆるバングシーティングが有効であることも皆経験しました。さらにランニングでは、3度から6度のアンヒールをつけることによってヘルムバランスが良くなることも学びました。
こうして何度も何度も上下を繰り返しているうちに、時計は16時を回っており、辺りはあんなに沢山のヨットや船が出ていたのに、今はその影もまばらになってきました。
「ラスト1本!」のかけ声と共に、全艇そろってランニングで沖出し。ラストはサイテッドがティラーを持ち、ヒールの状態とアンヒールの状態を作りながら、代わる代わるその違いを確かめました。
最後はマリーナに向かって、3艇並んでクローズホールドの最終チェック。
傾きかけてきた夕日が海面にキラキラと映る中、各艇マリーナに帰港。 16時40分、着艇。
こうして天候も良い具合にもってくれて、今日一日充実したトレーニングが出来たのではないかと思います。
さあ、次回は5月28日、29日と合宿です。この日の終了ミーティングで、皆に参加の意思を聞いたところ、ほとんどの人が参加したいと手を上げ、その意気込みに圧倒されました。これから20人を超える人達の宿舎の確保が大変になりそうです。
ということで、参加の皆さん今日一日お疲れ様でした。急遽乗っていただいた西村さん、洋上コーチありがとうございました。一日中ラバーボートから声を張り上げてコーチしてくれた日高さん、ありがとうございました。それでは皆さん、来月また葉山でお会いしましょう。