第5回全日本選手権2004 レポート 白子良明
文 白子良明(レース委員長)
今日は、朝から南西のやや強めの風が吹いている。風が上がってこない事を祈りつつ、レース海面に向う。先行しているマークボートから、風向SW、10メートル程の風が吹いており、波の状態が悪いとの連絡が入る。
小網代沖ブイより沖に出ると更に波の状態が悪いとの事で、小網代ブイの内側をレース海面とする事に決め、本部艇のアンカーを降ろす。
アンカーは効いているのだが、船が風上に真直ぐ立たない。どうやら風と潮の流れが反対で、そのために方向の一定しない悪い波が立っているようである。
第1レース
風向 SW
風速 9~11メートル
波高 1~1.5メートル
風軸を220度に設定しアウターマークを130度に設置。上マークは、レース海面が小網代沖ブイより内側のため、諸磯の定置網を避けて短めのコース設定とする。
予定通り14時にスタート。オールクリアスタートだが、やや遅れ気味のバラバラとしたスタートだ。スタート直後、数艇が、やや接近する場面があり本部艇から見ているとヒヤヒヤものである。
「Kamm」が、かなり遅れてのスタートだったが、上り角度、スピード共に良く、安定した走りをしている。1下マークでは、すでに順位を上げ「天空」と競り合いながらトップで回航して行く。やや遅れて4チームが団子状態で回航して行くが、「ハマック2」がマークタッチしたようで、ペナルティーを履行している。
その後、大きな順位変動なく「Kamm」が、14時23分にトップフニュッシュ、14時27分に「ハマック2」が、ラストフィニッシュ。コースが短いので、展開の早いレースとなりました。
第2レース
風向 SW
風速 10?12メートル
波高 1?1.5メートル
「しゃちほこ」が、メンバーの体調不良によりスタート前に棄権。6艇でのレースとなる。
14時41分スタート。第1レースと同様、全艇やや遅れ気味のスタートである。風がやや強くなって来たためか、ボートコントロールに苦しんでいるチームも多いようだ。しかし、上位グループは、比較的安定したセーリングをしているようである。
第1レースに続き「Kamm」が15時03分にトップフィニッシュを飾る。同じく「ハマック2」が、15時08分にラストフィニッシュ。
今日は、4レース位出来そうだったが、風が強くなった事とリタイヤ艇が不利にならないように考え、このレース成立後、本日は、終了とすることとした。
2日目、SWの風が12?13メートル。波の状態も悪く、12時30分までレースを延期。しかし、天候回復に至らず全レースを中止した。
両日共に強風で、残念ながら2レースしか行う事が出来ませんでした。至らないレース委員長でしたが、選手、運営スタッフの皆さんのご協力により、事故やケガもなく、無事、大会を終了できました事を感謝いたします。
今回は、2レースとも、ほとんど順位に変化がありませんでした。やはり普段の練習量と経験の差が成績に現れたものと感じました。
また、強風でボートコントロールが難しかったとは思いますが、スタートに問題があるように思いました。今後の練習課題として、取り組んでいただきたいと思います。
最後になりましたが、大会開催にあたり共催をいただいた「JSAF三浦オーシャンセーリングクラブ様」、ご協力をいただいた「シーボニアヨットクラブ様」「株式会社マリンリゾート様」、レース艇・運営艇をご提供いただいたオーナーの皆様に厚くお礼申し上げます。