第1回スプリングレガッタ2003その1

文 斎木英夫

第1回JBSAスプリングレガッタは2003年4月19日、20日に神奈川県のシーボニアにて開催されました。浜名湖支部からは板倉、森崎、戸口、齊木の四人が参加しました。四人は19日の早朝四時に起きて、磐田を出発、シーボニアには丁度8時の役員集合時間に到着しました。途中のラジオでは強風波浪注意報を告げており、海老名のサービスエリアでも強い風が吹いており、車を運転していても、ハンドルが風でとられる状態で、レース海面のことを大変心配ながらシーボニア向いました。
レースは3チーム+オープンのサイテドチームの4チームで行われることになりました。
我々は板倉さんがヘルム、戸口さんがジブ、私がスキッパー、そして九州の宮園さんがメイン、ゲストに九州のサポーターの渡辺さんを加えての5名のチームです。森崎さんは安西さんがスキッパー、九州の麻生さんをメインしたチームのヘルムです。

オーナさんから注意事項などを伺って、レース海面へ向いまいした。シーボニアの前の風の少ない湾内でメインを上げて、小網代湾へ出て行くと案の定、強風と高い波です。暫くは戸口、齊木で操船をして、ジブは揚げずに海上の雰囲気への慣らし運転をしていました。
11時が練習レースのタートですが、延期信号のまま、マークボートもマークを積んだままです。ところが気がつくとP旗が揚がっています。ジブをつけての練習もしていないので、そのままスタートをしてみました。
スタートは我々が一番、その後1分近く遅れて他の艇がバラバラとスタートしました。他の艇もジブを揚げていません。我々もメインだけで先頭でマークを探しながら高い波にあおられながらそれでも、先頭をキープして走りました。
マークボートから戻れの指示があり、シーボニアに戻って、とっても静かなハーバーの芝生の上でお弁当となりました。これで午前中は終了です。

午後になっても風が止む気配は全くなく、海面は兎が跳んでいるというよりかは白熊が跳んでいる状態です。本部の判断でシーボニア前からスタートして沖の赤白ブイ回航のレースに変更されました。この風ですとポートのアビームでブイに行って、タックを返してスタボーのアビームで戻ってくることになります。これならば多少の強風と波でもなんとかなりそうで、1時に桟橋を出て湾内でスタート時間を待ちました。スタートは13時30分となりジブを揚げてスタート位置を確保しました。
我々は絶妙なタイミングでスタート、直ぐ横に森崎さんの操るスピーディーブルー。湾内のブランケットから抜けて吹き込んでくる強風を覚悟し、また波とブローに翻弄されながらの大接戦。「しも」の声を聞きながら一時は我々のブームが相手と10センチ程の距離にまで近づきました。危険を避けるために相手の後ろに入りたいのですが、それがなかなかできず、やっとのことで前を譲って我々なりのセーリングができるようになりました。
が、アビームのはずの風がなんと殆ど上りの風になっています。ジブをつけてのセーリングが苦しく、戸口さんの判断でジブダウン。上り角度は稼げませんがなんとがブイに向かって進むことができます。スピーディーブルーもジブを降ろしています。上りが稼げず、目の前には定置網!タックキングをして2メートルを越える波の中をメインだけでなんとか走りました。他の艇は全くついて来ていません。
「やったぁ?!みんな諦めたぞ!このまま、走りきれば単独トップだ!」って走っていたらマークボートが来て、「ノーレース、ハーバーに戻れ!」ってことになりました。
強風、高波をなんとか楽しめるようになったのにって言いながら、内心ホッとした瞬間でした。

では、戻りましょうってことで私が舵を握ったのですが、風下に向けようとし、舵を切っても全く向いてくれません。メインを降ろすことにしてまずは船外機のチルトを外して、降ろしたのですが、これがまた大波の中にあおられて中々上手く行きません。やっとエンジンをかけてメインを降ろしてハーバーに向きを変えた時は既に岩場が近くに迫っていました。先にタックをして安全な海面に移動すべきだったと後で大反省でした。
ノーレースにはなりましたが、大変貴重な経験ができて九州のメンバーも含めて、満足満足。でも、どうしてシーボニアにくるといつも強風なのでしょう。この前の全日本も初日はドンブキでした。
舟を片付けて、早々と風呂を浴びて宿に戻って夕方の宴会の為に睡眠不足を補うことにしました。やはり、4時起きは眠いです。
宴会は結構盛り上がりました。この報告は別途あるのかな?

昨日程の風はありません。4?6メートル位の風でしょうか、しかし、天気はイマイチでショボショボと時たま降ってきます。今日の舟は竹内さん所有のスピディーブルーです。ゲストの渡辺さんも昨日同様一緒です。
9時スタートですので、それにあわせて本部船の近くに行って船外機を格納しました。この舟はレース仕様で船外機はチルトするのではなく船内に格納することになっています。やっと格納してスタートラインをみると、既にP旗が揚がっています。エッ!9時スタートではなかったの?昨日がノーレースだったので短い時間に沢山のレースをやりたいので早めたの?アッ!3艇が綺麗にスタートをして上って行きます。エッ!?????
スタート信号後4分以内にスタートをすることって帆走指示書にあった、急げぇ?!3分30秒後にスタート、なんとかDNSは免れた!すると、本部船から戻れの合図。良かった!
もし、レースになっていたら運営に対して抗議をすべきだと後で思いました。そのとき思って、抗議をする旨を本部船に出そうとしなかったのは反省点です。

第1レースはスタートのポジション取りに失敗、本部船の間際でタック、ジャイブで一回転して、やや遅れてスタートしました。スタートラインが長いので多少遅れても本部船側から出ると他の艇団よりも風上側の位置をキープできるので悪いポジションではありません。白子さんの操る、我々が昨日のった「ちひろ」の走りがイマイチでその差は段々と近くなります。ちひろはカモだと安心して2位キープを狙います。下マーク回航でオープン参加のルミナスに水をもらって確実に2位をキープするつもりが回航後がスムースに行きません。メインの引き込みが遅いのです。シートの場所や引き込み具合が宮園さんに上手く伝わっていません。そうだよね。マーク回航の練習は一度もしていないからね。ランニングの走りもマァマァで2位でフィニッシュしました。
第2レースもスタートはやや遅れ、まぁまぁのポジションで走っていますが、上り角度がイマイチで、遅れをとっています。メインシートがからんで引き込めない、その上トラベラーも使えません。タックをかえれば直るだろうという事でタックをしました。悪い事が重なってメインシートの対応に気を取られていたら風が振れてしまい、艇が風に立ってしまいました。この風を上手く掴んで右に突っ込んだちひろが単独トップを確保。我々は残念ながらスピードにも乗れず、角度も稼げず3位となってしまいました。

レース成立は2レースからという事だったのでこれで終わってしまうかと残念に思っていたらもう1レースあることになって一安心。ちひろが3、1位、森崎さんのはぜどんが1、2位、我々は2、3位でこの時点では最下位です。日高さんからランニングの時にメインが甘くなっている事と私の位置をメイントリマーの前にした方が良い事のアドバイスを頂きました。公平を期すために各チームにアドバイスしたとか。
第2レースの前にちひろはメインセールを上げなおしていました。メインが揚がりきらないのでメインハリヤードを直したとか、それでカモがカモで無くなってしまったんだぁ。
第3レースもやや遅れの上位置でスタート、トップははぜどん、続いてちひろ、最後に我々です。日高さんのアドバイスも効いてランニングでの走りも良くかなり差を詰めることができました。しかし、上マーク手前で私の乗艇位置を前にしてそのままタックした時に私が戻れずオーバーヒールをしてしまうと言う失態をしていまいました。申し訳ない。

下マークではちひろにかなり近づいて回航することができました。反撃のチャンスも出てきました。しかし、我々はこのレースで1位にならない限り最下位は決定です。なんとはぜどんが前にいません。下マークを回れず回航しなおして最下位に下がってしまっていました。とするとちひろを抜けば我々は総合でも最下位脱出です。全艇が1、2、3位をとることになり、どうなるのかな?なんて思いながらちひろを追いかけます。宮園さんのメインのトリム、板倉さんのヘルムが上手く、ちひろよりも上り角度、スピードとも良く、グングンとちひろの上へ上って行きます。上マークへのアプローチはちひろがタックしてスタボーをかけてきます。その前でちひろよりも高さのないところでタックを返しました。このまま上マークを回航できればちひろの内側で上マークを回航できます。上り角度、スピードも良く思い通りに上マークに近づきました。やったぁ!
上マークではちひろのサイテドスキッパーの橋本さんに水を要求。そしておちついてマークを小さく回ってちひろを1艇身くらい離すことができました。後は長し込みのランニングを上手くやればトップです。
ななんとフィニッシュラインが近づいたところで他のレースの大型艇の艇団が近づいてきます。その艇団の1艇の後ろをなんとか避けて通りましたが、この接戦の中ちひろとの距離が気になります。我々が本部船側、ちひろはマーク側・・・・
フィニッシュ!ちひろを見ると彼等の前にマークが見えます。やったぁ!トップフィニッシュだ!

各艇とも1、2、3位を取ったことになり、同点となりました。結果、最終レースの成績が適用されるということで、我々が大逆転優勝を飾ることができました。ご苦労様でした。!
頂いた優勝盾の一つはゲストで乗ってくれました、大分の渡辺に差し上げました。昨日の荒れた天候で今日の乗船をためらっていましたが、レース中は戸口さんのお手伝いもしてくれ、レースを堪能してもらったと思います。