あほうどり回航報告 往路

文 村井

夢の島 → 横浜ベーサイドマリーナ
日時 2007年5月5日

参加者
(敬称略)
サイテッド 坂本 橋本 梅沢
ブラインド 足立 村井

村井です。今年もベーサイドマリーナに行ってきました。あほうどりの年1回の船底磨きと整備のための回航です。この往路では、昨年のJBSA10周年記念の三崎への回航に引き続き、坂本さんのセーリングパートナーの梅沢さんにお手伝いしてもらいました。そのときの回航では、出航して間もなく、エンジントラブルが起こり、エンジニアである梅沢さんが乗り合わせていたお陰で、直ぐにトラブルの箇所を探し出し、修理出来たことで、そのまま回航が続けられました。そういう訳で、今回も梅沢さんに同情していたたき、心強い限りです。

さて、今年の春は、セーリングにちょうど良い風が吹く日があまりなく、強風、もしくは無風という日が続いています。それで、レースが成立しなかったり、定期練習が予定通りできなかったりです。5月5日のこの日も、ご多分に漏れず、強風の中での厳しい回航となりました。

朝、天気予報をチェックすると、東京地方にはなにも注意報・警報は出ていませんでしたが、横浜地方では強風・波浪注意報が発令されていました。そのことから海ほたるを越えてから先の風の具合がどうなっているか危惧するところでした。

午前8時、夢の島マリーナに着くと、やはり比較的強い風が吹いていました。それでも、赤旗は出ていませんでした。そして、メインセールを2ポイントリーフで直ぐに上げられるように予めセットして、8時40分出航。

京葉線の鉄橋を越えて、東京湾に出ると、白波が立っていました。南南西?南西の風9メーター、波高1.5メーターというところ。視界も悪く、風の塔が確認出来ませんでした。しかも、この辺りは河口ということもあり、悪い波が立っていました。それで、あほうどりは、パンてぃんぐとローリングを繰り返しながら進みました。立て続けに2・3発、頭から飛沫を被り、久しぶりに海の洗礼を受けました。それでも、救いは、腫れていて、日差しが比較的強かったこと。「これが3年前の大回航のときは、波ももっと高かったし、雨に降られながらの夜の回航だったんだよ」と回顧したりしていました。「落水に気をつけて、安全にのんびり行きましょう。ツーポンリーフしてだめだったら引き返します」、と坂本さんから声が上がり、メインを2ポンでアップし、機帆走。とりあえず、鉄橋越えの乾杯にビールを一本、皆で回しのみしました。そして、若洲沖へ向かいました。他方、あほうどりに先行していたセーリングボートは、メインを上げたが、ヒールがきつかったようで、引き返して行きました。

沖に出ると、波高が落ちついたので、ジブを3程度にファーリングして展開し、エンジンを止め、セーリング。風は強かったものの、ブローがなく、比較的安定して、航行しました。GPSの対地は4?5ノットでていました。ですが、行きたい方向のコンパス角度190度から風が来ており、落とし気味にセーリングしなくてはなりませんでした。その分、タックを繰り返しながら進むことになりました。

こうして、風の塔を視認できるようになった頃から、GWクルージングに出ていた船がランニングで、数艇、向かって来るようになりました。そして、風の塔がより近く見えるようになった辺りから、風が11メーター?12メーターと上がってきました。そのため、ジブを全て巻き取り、再び機帆走。安達さんが久しぶり、本人いわく3年前のセーリングデビューのとき以来のコマセ蒔きをしていました。実は私も、この日は朝から体調が優れず、胃液が上がってきていて、これは初めて船酔いするかなあ、と心配していたのですが、なんとか一日大丈夫でした。もちろんセーブしていましたけど。

風の塔を越えて、進路を230度に取り航行。ここで、風の塔越えを記念して、再度、ビールを一本、皆で回しのみ。お昼を回ったので、横浜のシュウマイで、昼食。足立さんは早くも復活してました。

相変わらず、GWクルージングから帰港していくヨットが続いていました。そして、東扇島の高炉が確認できるようになった頃、岸側をスピンをあげているヨットがあると、誰かが見つけました。

風が強いのによくスピンを上げてくるねえ。
追ってだからこのくらいの風なら上げるよ。
スピンが上がりきっていないようだけど。
ストームスピンというのもあるから、上がりきっていないのか分からないなあ。
ハルが青いんだけど・・・。
小玉さんのスパクラかなあ。

ベーサイドマリーナに到着してから携帯を確認すると、12時20分過ぎの着信時間で、小玉さんから何度も電話が坂本さん、足立さん、橋本さん、私のところにそれぞれ入っていました。小玉さんごめんなさい。海況が穏やかだったらミートして、船を横抱きにして、宴会だったのですが・・・。だけど、東京湾の真ん中でそんなことする分けにはいかないかな?

そして、ベーブリッジとマリンタワーが2時方向に見えて北頃、風がやや落ち初めました。ほぼ予定通り回航しています。だけど、空は薄曇りで、また、飛沫を浴びたせいで、体が冷えてしまいました。それで、今度はホットウィスキーで乾杯です。出航前に魔法瓶におゆを貯めておいたので、直ぐにシングルモルトが配られました。

午後2時半、磯子沖に到着しました。風も若干落ちていたので、ブラインド・セーリングの練習。先ずは冒険心タップリの足立さんから。そして、私に代わり、久しぶりにあほうどりのティラーを持ちました。初めタックがうまく決まらず、2度、3度繰り返す中に感覚を思い出してきました。そのようにしながらベーサイドマリーナにアプローチ。碇泊している本船を避けながら進み、午後3時半にベーサイドの桟橋にもやいました。

無事にマリーナに到着したところで、今度は一本のビールを皆で回しのみするのでなく、一人で一本づつ、ビールや酎ハイを開けることが出来ました。

皆さんお疲れさまでした。今週末は、回航復路です。良いセーリング日和になると良いですね。梅沢さん、助っ人ありがとうございました。又よろしくお願いします。

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