2010年7月 JBSA神奈川 落水者救助訓練のレポート
7月25日(日)に行なわれた落水者救助訓練のレポートです。
参加者(敬称略)
サイテッド 北村(講師)、大賀、山名、新野、マイランケ
ブラインド 金輪、瀬川、白子
落水者救助訓練は、4月の理事会において安全対策事業の一環として各支部ごとに行うように決定されたものです。
JBSA神奈川では、サイテッド会員でセーリングクルーザのインストラクター資格をお持ちの北村さんに講師をお願いし、座学と実技の講習を行いました。
午前中の座学では、4種類の落水者発生時の操船法を学びました。
1.ウイリアムソンターン
機走時に落水者発生した場合、落水者がいるであろう元の航跡上に戻る方法。
2.クローズ~アビームでセーリングの際に落水者が発生した場合、セーリングで救助する操船方法。
3.ランニング~クォータリーでセーリングの際に落水者が発生した場合、セーリングで救助する操船方法。
4.フローティングロープとライフスリング(救命浮器)を使用した救助方法。
午後からは、各ポジションを交代しながら、1~3の実技をフェンダーを落水者に見立てて行いました。
また、マリーナのポンツーンに係留した状態でメンバーを落水者に見立てて、自力で船上に上がれるか。ブラインドが落水者を引き上げられるか。などの体験も行いました。
1の操船方法は、とても興味深かったです。
一定のスピードを保ちながら定められたティラー操作をすると、不思議と12時方向にフェンダー(落水者)が現れます。
2と3は、逆ジブを使用しながら落水者に接近、最終的にヒーブツーの状態にして落水者を引き上げます。
ポイントは、
・落水者を見失わないように専任の監視者を置く
・落水者発生でタックして逆ジブにする
・ジブとメインのシートを一杯に引いた状態でデッドスローでセーリング
・落水者のすぐ近くの風下を航行し救命浮器を投げ入れる
・落水者の風上に出てヒーブツーの状態にしてから落水者を引き上げる
逆ジブにて、コントロールを失わない程度の微速のセーリングスピードを保持しつつ、ティラー操作だけを行います。
バタバタと慌てることや、シート操作のミスがないので、落着いて冷静に救助をすることが出来ます。
落水者、乗員、艇体、各々の安全を確保しながら、救助活動が出来るとても優れた方法だと思いました。
反省会では、北村さんから「今日は海況も良く慣れた方々が操船したので、とてもスムーズな実技が出来た。しかし、風が強く波の高い状況では、落水者を発見し難く操船も簡単ではない。絶対に落水しない、
落水者を出さない。とい心構えと対策が一番大切である。」という総評をいただきました。
目からウロコのとても有意義な講習になりました。
参加された皆さん、お疲れ様でした。
講師を務めていただいた北村さん、どうも有り難うございました。