活動報告 JBSA東京 2023年4月16日 TYCレース第2戦

活動報告 JBSA東京 2023年4月16日 TYCレース第2戦
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【活動日】2023年4月16日日曜日
【参加者】8名(順不同敬称略)
ブラインド:殿垣内,小倉,菊池,水田,佐藤
サイテッド:児玉,副田,永井
【精算】2023年4月17日振込済み
【天気】晴れ
【気温】22℃
【風速】0.5から4メートル
【航行時間】8時55分出港 17時05分帰港(8時間10分)
【航行距離】約42キロメートル
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連絡事項】
● 4月10日(月)にDICSに依頼したグランドパッキン交換により浸水現象は完全になくなった
● DICS説明では緩めにしめたとのことだったがスタンチューブ保護のため永井さん16日17日と調整してくださるものの最終的にDICS設定で様子見
● ジブセールのグルーブの下二つが抜けているのをレース中に永井さん発見
● 帰港後ジブダウンし再艤装しようとしたところピークのシャックルもはずれかけていた問題を解決
● ファーラードラムの4本のネジのうち1本が落水(29日以降に永井さん補修予定)
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【活動の様子】

東京支部の佐藤です。ご報告します。

テーマは”諦めない”です。

本日はレースということで、いつもより1時間20分早い、朝8時新木場駅集合です。集合場所に少し早く着いた私は、誰もいないところ一人でお待ちしていました。「おはようございます!」と明るい女性の声かけに元気よく返事をしました。その女性は不思議そうに私を見たのです。 すぐにその理由が分かりました。全く知ることのない人に大声で挨拶を返していました。視覚障害者あるあるでございます。セーリングは皆友達です。元気出していきましょう。 

しばらく待って駅の階段下に向かいました。副田さんがいらっしゃいました。殿垣内さんもご一緒です。間もなく小倉さんと菊池さんも合流です。ちなみに菊池さんは朝シャンをするらしくとても早起きでした。児玉さん、永井さん、水田さんは現地で合流となります。

マリーナハウスに到着。天気は曇り。長袖1枚で過ごしていましたが、港では風が強くジャケットを着る寒さです。風も吹いています。準備はOK。私自身初めてのレースになりワクワクしています。

出航の準備もOK。機走は永井さん。ゲストバースに児玉さん、小倉さん、副田さんをピックアップ。

全員集合、副田さんの機走。

沖に出てレース地点へ。スタートは11時。少し時間があります。右舷からはアランさんたちのヨットがあほうどりを追い越していきました。まだ焦ってはいけません。スタート位置までゆっくり進みます。次第に大小様々な ヨットが集まてきました。そろそろのようです。沖で十隻以上密接は初めての光景です。迫力があります。

アウターマークを見つけ、続いて本部艇。ここがスタート地点のようです。前のヨットに並んでエントリー。5分前エンジンを切りいよいよスタートです。

スキッパー、児玉さん。
バウマン  、永井さん。
ヘルムズパーソン、小倉さん、菊池さん。
メインセールトリマー、殿垣内さん。
ジブセールトリマー、副田さん、水田さん、佐藤。

セミロングのコース 。作戦としてはタックの数を少なく、ティラー操作技術で上マークを目指すものでした。ティラー操作の小倉さん、恐れ入ります。

順調な走り出しでしたが失速。風がほとんどありません。それでも方位170度を目指し、上マークを探します。 あらゆる風を味方に、あほうどりは進みました。ベテラン児玉さんと永井さんの連携が驚異の速さを作りだしています。風を読む(ブロー)と風の予測ともう完璧です。永井さんの計算で2時間半後に上マーク 到着の予定。いち早くコースどりと風を読み順調に進んでいったのです。私そのものは後ろから接近してくる船、左舷から接近してくる船、めちゃくちゃ近づいて波を切る音も喋り声も聞こえるほどです。スリリングな経験、初めてで楽しんでいます。

船は順調だったのですが、とにかく風が吹かず前に進みません。周りでは途中レースを諦めて迂回する船もふえてきました。もちろん、あほうどりは諦めずに必死で風の通り道ブローを児玉さん、永井さんが探してくださいました。依然としてタックの数は少なく、ティラーの小倉さんは細い操作でもう2時間以上続いています。小倉さんは「大丈夫。頑張ります。」と明るい笑顔で 答えてくださいました。……

……サイテッドの方々が遠くに見える、上マークを発見!依然としてとして風を吹かないのです。が、それでも 周りの船をかき分け、時刻は13時58分。あほうどりは回航することができたのです。

超ノリノリ で下マーク(ゴール)を目指して船は進みます。ジャイブ、そして観音開き。今回はウィスカーポール を使って、ジブセールを安定させます。もちろんティラー操作は菊池さんです。やはり風は吹きません。右舷側に アンカーリングの大型フェリー。左舷側には、これから上マークを回ろうとしている船たち。前に見えるのは大型クルーザーだけです。これはひょっとして、優勝できる可能性大です。リタイアする船も更にふえています。そして周りは大型のクルーザーのみ、同じクラスのヨットは見当たりません。時刻は14時30分。残り1時間です。しかし、風は吹かずゴールのラインも見えてきませんでした。「 これは無理かなぁ〜。時間内にたどり着けないよ。」と、チーム全体がレースを諦めました。
管理本部に電話をかけ、リタイアを告げようとした瞬間、奇跡が起こりました。神風が吹いたのです。後方からの風をのがしません。ランニングの最高の走り、スピードも上がってきました。「これはいけるぞ!」と、チーム一丸となりました。

夢中で追いかけると、副田さんが「あそこに見えるのは下マークではないでしょうか?」周りのサイテッドも半信半疑でしたが、遠くかすかにオレンジ色の下マーク!あったのです。残り時間わずか40分。諦めずに進みます。「もう少し、もう少し。」ゴールへのムードが高まります。…… でっっ!!「うん〜ん。どうやら本部艇が 下マークを片付け始めているよね 。」その姿がだんだん遠のいていきました。 時計は15時37分、7分オーバーでタイムアップでした。「 悔しい〜〜つ。ほとんどゴールだったのに。」チームから声と涙がこぼれ落ちました。

レース結果は次の通りです。

8艇中2艇フィニッシュ、1艇DNF(did not finish)、5艇リタイアです。クルージングクラスには、厳しいレースでした。

クルージングクラス

1位、翔竜
2位、尾長鮫
DNF、La Jolla
RET、Cristal Tango
RET、Jacky
RET、HALCYON
RET、anais
RET、あほうどり

ひょっとしたら優勝(言い過ぎ?)できたかもしれません。一度は諦めかけました。しかし、それでも諦めずチーム一丸となってやり終えたことは達成感で満ち溢れています。次のレースにつながるような爽やかな悔しさです。
ようやくレースのルールや楽しさが分かり始めました。次回もよろしくお願いします。お疲れ様でした。(真面目な文章で申し訳ありません。次回は笑いがとれるよう頑張ります。)