2010年6月 JBSA東京 あほうどり回航の報告

東京支部から「あほうどり」の横浜、東京夢の島マリーナ間回航の報告を申し上げます。

回航実施日:2010年6月27日(日)9時46分~14時40分
回航区間:横浜ベイサイド・マリーナ幸浦地区~東京夢の島マリーナ

天候:曇り 風=南西4~7メートル
参加者<敬称略>
 サイテド:橋本、児玉、谷下田
 ブラインド:安達、湯川

8時30分に横浜駅に集合、9時20分に横浜ベイサイド・マリーナ到着、先着の谷下田さんの歓迎を受ける。
9時46分に出航するも、エンジンにやや不調を感じ、一旦Uターンするが、パワーボートの権威、谷下田さんのサジェスチョンで数分走り続けるうちに復調。
休日の釣り人の多い堤防から外に出ると、うねりは大きいが、風は南西の4~5メートルで、そこそこの感じ。

10時5分にメイン・セイル、ジブ・セイルをアップ 安達さんがヘルムス役で、進路65度で、ブロードリーチからビームリーチで快適に帆走し、10時40分には、中ノ瀬C灯標通過。ヘルムスを交替するが、靄って入る上、私の視力では目標としたい景色は見えない。『何も見なくていい、風を感じろ!』とは児玉さんの鋭い喝破。
『ウヘーッ。恐れ入りました』

10時55には中ノ瀬D灯標を通過し、橋本さんがヘルムズ・パーソンで余裕の走り。
11時30分頃にはアビーム走行で7ノット強ほどのスピードで快適な走行ののち、谷下田さんと交替。
谷下田さん曰く「舵は方向転換の為だけの道具じゃない。カウンタースティア(あて舵)も大事な役目さ。今、俺は目をつぶってティラー操作をしているんだぞ!」
さすが人生の荒海で幾多の大きな波涛をたびたび越えてこられたかただけあって、「あほうどり」も、おとなしく安定した走りである。

児玉さん、橋本さんの両先輩は、しきりに「先週の水浸し回航と違って、今日は最高のセイリングだ。とかくトーシロはクローズ好みだが、セイリングはフリーが最高よ!」とのたまわれ、なんとパワー・ボートの権威、谷下田さんもそれに同調。
追い風のフラット・キープは艇体の小さなレーザー級等のディンギーであれば容易だが、クルーザーでローリングを抑えるのはやりづらく、もがいても、それを消せず口惜しい想いである。
ふと、頭に「経験は最良の教師だが、月謝は高いのだ」という言葉が浮かんだ。
誰の言葉だっただろう?要は月謝の支払いが不足しているということか。
それなら了解だ。
かの量子物理学の泰斗、ニールス・ボーアも「エキスパートとは、ある特定の分野で、ありとあらゆる失敗をすべて経験してきた人である」と言ってるではないか。
ナールホド、ナルホド。サイテドのお三方は、この二つの箴言にピッタシ当てはまるのでしょう。
先は長いのです。安達支部長、今後お互いに大いに失敗しませんか!

気がつくと、背の伸び続けるスカイ・ツリーが意外にも9時半方向に霞む。
コンパスが90度を指しているので、当然の方向なのだろうが意外な感じがする。
それにしても、東京湾北部での良い目標になってきたものだ。これまではディズニーシー、それ以前はAビールのかの有名なビルが目標だったそうな。

12時15分頃風やや落ちて5~6米程度に。うねりもいつ頃からか収まっている。
児玉さんが 携帯で親友の船宿経営者の方にコンタクト。
何かと思えば、お友達の釣り船に近づき、本日の釣果の釣りたてのキスを頂こうという算段だそうな。
アクアラインの下を通り、東進。黄色いスパンカーの「ふじみ丸」に接近。
釣り船に接近して獲物を頂くとは、なんとなくジョニー・デップのパイレーツ・オブ・ザ・カリビアンにも似た雰囲気で、私もキャプテン・スパロウの子分になった感じである。
一番の子分は無理としても、3番か4番目の子分にはなれないだろうか。
「あほうどり」も世界中の海賊情報を載せたサイトのパイレシー・ヌーン・サイト(http://www.noonsite.com/Countries)に掲載されるのではないかとチョッピリロマンを感ずる。「セイラー諸君!東京湾のあほうどりに気をつけろ!」と。
ふじみ丸の船長さんから、獲りたての大型のキスを沢山頂くことになった。
 
13時15分頃、観音にして330度を目指しジブのタック変更を繰返しで荒川河口に接近し、14時20分、ジブ、メインセールをダウン、機走に移り、14時40分夢の島マリーナ着。
いつの間にか雨がポツリポツリ、それも間もなくやむ。なんて、ついている日なのだろう。
今日は、途中の機走もなく4時間56分0秒の快適な走り。先週の往路に比べ誠に恵まれたセイリング,大切な年中行事の一つは平穏に終りました。
「あほうどり」よ、来週からまた元気に走りましょう!
東京支部は頑張るぞ!