参加レポート_村井 2017年セイラビリティ江の島交流レガッタ
東京支部の村井です。
5月13日(土)~14日(日)に江ノ島で開催されました「2017年セイラビリティ江の島交流レガッタ」に参加してきましたので、そのご報告をいたします。
このレガッタはセーラービリティ江ノ島の主催により数年前から開催されているイベントで、健常者、、障害者を問わず老若男女が多数参加して、ハンザクラスの2.3と303を使用してレースを楽しみ交流を深めることを目的としています。そしてこの度、JSAF障がい者セーリング推進委員会の委員で、日本ハンザクラス協会のセーラビリティー江ノ島の青木さんからJBSAにお誘いをいただき、初参加となりました。
レースは、ハンザ2.3、303それぞれ一人乗りのシングルと二人乗りのダブルに分かれて行われ、JBSAはサイテッドとブラインドが二人一組になって、ダブルのクラスにエントリーしました。
参加者(敬称略)
(参加全14ティーム)
ハンザ2.3 ダブルクラス(一枚帆 全14ティーム)
大賀、小倉ティーム
村上、村井ティーム
ハンザ303 ダブルクラス(二枚帆全13ティーム)
石田、杉山ティーム
中尾、金輪ティーム
先ずは、ハンザ2.3についてどんな艇か説明しますと、一枚帆のアクセスディンギーで、全長はおそらく2m、横幅1.3m、艇体の高さ50センチ、水面上フライブリッジまでの高さ20センチ、マスト高さ3mぐらいです。正面を向いて二人が並んで足を伸ばして座り、目の高さが低い位置にあるので、車高の低いまるで二人乗りのスポーツカーみたいな感じです。座席シートはハンモックです。
舵は二人の真ん中にあり、筒状の穴に棒を差し込み、それを左右に切ると、ラインでつながったラダーが動きます。スティックを倒した方向へ艇が回っていきます。
マストはバウに立ててあり、ブームが頭に当たらない程度の高さに出ています。コントロールラインとしては、ブームのアウトにシートが出ています。これがアウターやバングの代わりになるようです。マストにはプーリーが付いていて、シートを引くとマストが回転しセールを巻きつけリーフすることが出来ます。後はメインシートで、一様クリートがついています。
センターボードは、20キロの重さがあり、厚さ3センチぐらい、長さ70センチ、幅15センチ程度。これを下ろすことで、キールの役割をします。
ハンザ303は、メインのマストとは別にジブ用のマストがあります。従ってマストが二本です。303はジブがある分、艇体長も幾分長くなっています。後は2.3と同じです。
さて、肝心のレースの方ですが、初日の13日は低気圧の北上に伴う強風と雨のため中止となってしまい、開会式とレセプションのみが行われました。
二日目14日は曇天の中レースが各2レース行われました約200メートルのソーセージコースを反時計回りに回ります。
先ずはシングルクラスのレースが一レース行われたのですが、前日からの強風(約7~8メートル)が残っていて、スタートになったものの、ハンザ2.3が一枚帆のためコントロールがつかず、ラインから離れて風下に流されてしまう艇が多数出ていました。これに対して303は二枚帆なので、向かい風での登りがしやすく、概ね全艇スタートラインを越えてレースになっていました。
シングルクラスがぽんツーに戻ってきてからダブるクラスが乗り変わり、ダブルクラスのレースが始まります。
ハンザ2.3はソーセージコースを一周、303は二周し、最後に上って流し込みでゴールになります。
そして、いよいよダブルクラスのスタート。先ずは303から、10分置いて2.3がスタート。海面に全27艇いることになります。
レースの緊張感を味わいながら村上、村井ティームも、一レース目のラインを切りました。5・6番手。村上さんは若洲での2.3の体験とレースの経験があり、一枚帆特有の強いウェザーヘルムに悩まさせられることもなく、順調に上っていきました。上マーク回航アプローチで最後十分に登り切ることが出来ず、回航のやり直し。これで多数の艇に抜かれてしまいました。
二レース目、今度もまずまずのスタート4・5番手。落ちてくるかと思われた風があまり落ちず、結構なブローが入る。ブラインドは艇の中で動くことには不自由しないので、帆走指示書の制約の範囲で、体重移動してヒールを少しでも押さえたのがこうして3番手に上がる上マーク回航は4番手。ランニングになってからも良いスピード。座る位置を前にして重心を変化させて、追ってくる艇を離す。そして、下マーク回航。ゴールまで後50メートルのところで最後のタックを返す。しかし、どうしたことか艇が停まってしまう。
舵を切っても舵が効かない。セールを出しても動かない。「これは故障か?!」。
という訳で、後続艇に次々と先にゴールされてしまいました。
どうやらハンザ2.3の強いウェザーヘルムが最後の詰めのところで出てしまったようです。ハーバーに上がってきてから大会中JBSAの世話係をしてくださった和田さんにお伺いして、そのようなときの対処の仕方が初めて分かりました。
成績はJBSAからの参加各ティーム共に7~9位に落ち着き、初参加としてはまずまずの結果でした。
さああて、来年はがんばるぞう!!!
皆さんも次回このレガッタに是非参加してみてください。視覚障害者のティームとしては私たちの他に数人参加していましたが、残念なことに交流する機会を逃してしまい、お話することが出来ませんでした。岡山や広島、三重、大阪などから選手が集まり、選手だけで総勢80人の大会でした。来年は広島でワールドが開かれるそうです。
また、主催者のセーラビリティー江ノ島からJBSAに大変なご厚意を賜り、レセプションでは、初参加にもかかわらず、参加ティーム紹介の初めにJBSAにその機会を与えてくれました。秋山さんがJBSAを2013年のワールドの模様を写したDVDを上映しながら紹介しました。上映後秋山さんのところに多くの方々が話を聞かせて欲しいとよって来られ、反響をいただくことが出来ました。J/24でのレースがインパクトあったようです。
その他、閉会式では特別賞がJBSAに授与され、代表で小倉さんが賞品をもらいました。ステンドグラスで一枚帆のヨットが象られた置物でした。
参加の皆さんお疲れ様でした。村上さん、オーバーヒールさせて、ずぶ濡れにさせてしまいごめんなさい。
セーラビリティー江ノ島の青木さん、お声をかけていただきありがとうございました。
そして、和田さん、私たちのお手伝いをいろいろといただきありがとうございました。来年はハンザ303で挑戦させていただきます。それには練習をしないとね。
それにしても江ノ島は良かったなあ!マリンスポーツのメッカにふさわしい賑わい。ブラインドでも道を覚えれば片瀬江ノ島から一人でマリーナへ行くことが出来ます。なんといっても一本道。