活動報告書 JBSA東京 2024年10月20日 定期活動 TYCレース第7戦と表彰式
活動報告 JBSA東京 2024年10月20日 定期活動 TYCレース第7戦と表彰式
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◆ 基本情報
【活動日】2024年10月20日
【活動名】TYCレース第7戦と表彰式
【事業種別】レース関連事業
【活動種別】定期活動
【担当支部】東京支部
【使用艇】あほうどり
【参加者数】合計:6名(会員:5名,体験:1名,その他:0名)
・ブラインド 小倉,殿垣内
・サイテッド 谷下田,古庄,副田,神(体験)
【天気】曇り【気温】16度【風速】18ノット
【航行時間】9時38分出港 12時20分帰港(2時間18分)
【航行距離】19.7キロメートル
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◆ 連絡事項
・スピンポールのロープ計測
・4メートル必要今回購入できず
・燃料ポリタン1つに給油
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◆ 活動のようす
初めにレース担当の小倉さんからの報告です。
10月20日に予定されておりました第7戦オクトーバーレガッタは、16メートル北風という強風のため中止となりました。当日、早朝からレースに向けて準備をしてくださった皆様、大変お疲れ様でした。
この日は、レース終了後に行う予定の第4戦から第6戦までの表彰式が早まり、11時30分から開催されました。あほうどりは練習組と表彰式組と別れての活動でしたので、表彰式には副田さんと小倉が参加いたしました。表彰式では各月のレガッタごとに、クラス別の3位から1位のヨットにそれぞれ賞品が贈られ、あほうどりは第6戦でクルージングクラス1位となり、副田さん小倉そして盲導犬ブリスで賞品を受け取りました。ちなみに賞品はリモコンカーで、無線機を貸与して下さっている谷下田さんが、童心に帰りたいということで所有しております。表彰式終了後、練習組の4名が合流するのを待ってから、一旦解散して、その後は恒例の「干もの屋」で2次会を行ました。なお、練習の様子は殿垣内さんがレポートを担当しますので、そちらもお楽しみに。皆様、どうもありがとうございました。
以上。
小倉恵子
以下、とのがいちさんからの報告です。
今回のTYCレース第7戦は、前日17時までに中止の発表はなく、当日も8時に発表はなかったため、アドレナリンと冷静さのバランスをとりながら、出航準備。
サービスバースにあほうどりを移動させ、やげたさんと小倉さんとそえださんをピックアップしにいき、いざ出陣!というところで、まさかの中止。
レース海面では32ノットの風が吹いているからというのが理由のようだったが、予報を見る限り、最大でも22ノット。1時間まてば20ノット以下に次第に落ちてくる予報なので、非常に残念。
しかし、せっかく準備したし、風も10メートル以下だし、波高も0.5以下となっていたので、普通にセーリングをしましょうということに。
さて出発というところで、なんと11時30分から、第四戦から第六戦までの表彰式を実施するという情報。TYCの中間表彰式は、一瞬でおわってしまう、ちょっと参加者としては物足りないものであるため、今回は表彰式にはでずに、セーリングしましょうということに。
とはいえ、第六戦では、あほうどりはクラス優勝。これに出席しないのも後ろ髪を引かれる思い。
結局多数決で、セーリングを選択することとなったが、ヨットの世界のシーマンシップを重んじ、ジェントルマンでいらっしゃる、今回タクティシャンとして参加を依頼させていただいた古庄さんの師匠であるジンさんからアドバイス。
「セーリングか表彰式かといったら、プライオリティが高いのは表彰式。セーリングはいつでもできるが、1位をとったならなおさら表彰式にでるべきと思う」と、静かに重みのあるお声でおっしゃる。
「プライオリティー」という単語に感銘をうけた私は、セーリング派だったが、意見を180度意見をひるがえし、いやー、すばらしい、もっともだと思った。
「だけどさー、ジンさん。表彰式っていったって、景品ぱっとわたして、1秒でおわっちゃうんだよ。表彰式っていったって、すごいやつじゃないんだよ」、と古庄さん。
しかしジンさんは、「それでも、表彰式は大切」とのお言葉。
プライオリティーという単語にすっかり表彰式参加意見に変わった私と、小倉さん、そえださんで表彰式に参加し、古庄さん、やげたさん、ジンさんにセーリングをしてもらおうと船をおりようとしたところ、古庄さんより、動けるクルーがたりないから、とのさん降りたら困ると言われ、結局私はあほうどりでセーリング組に。
表彰式は小倉さんとそえださんにお任せして出航してみたところ、確かに風は強いが、20ノット(10メートル)はない。突発的には吹くものの、レースができなくはないが、まあ、スタートやマーク付近で、危ないシーンがあったかもしれないねと皆で話す。
ジンさんがヘルムス、私はメインをこまめに調整しながら、不安定な強風に合わせて、できるだけヒール角を一定になるよう保つ。少なくとも本人はそれをやっているつもり。
波高0.3ぐらいと高くはなかったので油断していたら、まさかのざんぶりと、全身に波をまるかぶり。スプレー程度と適当にジャケットだけきていた私は、パンツまでびしょびしょになってしまった。
一応、メインセールはリーフィングし、ジブも3分の2ぐらいになるようファーラーでまきとってセーリングをした。
今日はいつもより早く出航したので、いつもより長く乗れると古庄さんはお喜びの様子。ウイスキーがどこかにないのかという問いには、ありませんとひとこと。
しかし、2時間弱走ったところで、ジンさんは帰路につきはじめ、古庄さんは大ショック。
「えー!ジンさん。もう帰るの!?」
「帰ります」
さらっと冷静なひとことに、いつもワガママな古庄さんも、ジンさんには弱く、ただ沈黙。
サービスバースで、やげたさんとそえださんが交代して、後片付け。私は船に乗れなかったのに後片付けはあんなにやるのかとご不満なご様子だったが、まあ、二班にわかれての、一緒の活動だからと説得力のない説明をして逃げる。
しかし、やはり強風のときは、とにかく安全第一は絶対だが、できるだけ出られるように工夫して、練習して、みなの経験値をあげていく必要があるとつくづく思う。
ヒール角度が頻繁にかわるなかで、カムをかけずにセールをコントロールし続けたり、上下左右に揺れるデッキの上で、冷静にリーフィングをおこなったり、走り方を学ぶことも大切だが、荒れ気味の環境でも必要なクルーワークをこなせるようになることは、それ自体が安全の向上へとつながると私は思う。
先日は、佐藤さんに360度回る場合のメインシートのコントロールを体験してもらったが、これを強風でおこなうとなると、もちろん状況が大きく変わる。
シート類やハリヤード類を、迷うことなく落ち着いてコントロールできるようになるには、それなりの環境下での経験が必要だと思う。そしてこれらは、形や位置、役割、仕組み、場所を繰り返し練習して覚えることで、ブラインドにも可能だ。
なんだか偉そうなことを書いているが、JBSAでさまざまな挑戦をさせてくださった先輩がたのおかげで、こうしたことの大切さを知ることができた。ともすれば、ブラインドだから危ないからと、安全思考に偏りがちになることも、JBSAの長期的歴史、短期的な期間で、その割合の調整は試みられてきたようだが、やはり、挑戦したときにこそ、大きな前進、進歩があると思う。
他の報告書に書いたか、執筆途中のまま眠っている下書きメールにあるか忘れてしまったが、安西さんからのさまざまなご指導で必ずといってよいほどおっしゃる言葉が、「無理をしない」ということだ。
これは、ロープをクリートするとき、ジブセールをどのようにはるか判断するとき、ハリヤードやシート類がうまくひけないときなど、あらゆるシーンで言われる。
実行するか否かの判断も同様だと思う。
自然相手のスポーツだからこそ、また物理学の世界だからこそ、無理をしないというキーワード自体は、自然の法則に従った科学的な結果を引き出すことができるのだと思う。
ところで、表彰式のほうは、小倉さんのレポートのとおり。ラジコンカーは、会場無線用の無線機を、JBSAのために購入してお貸しくださったやげたさんに、お貸しすることになりました。
その後、いつもの「ひものや」へ。
もりだくさんで楽しい活動日でした。
報告書作成:殿垣内大介・小倉恵子