選手感想文 第16回 全日本ブラインドセーリング選手権(2024年)
優勝:Team Don2(チーム ドンドン)
ヘルムスパーソン、小倉恵子。
まず、チーム名について紹介します。
この名前は沖縄の言葉「ちむどんどん」にちなんだもので、胸がドキドキ・ワクワクする様子を表しています。今回も前回に引き続きの「ちむどんどん」でした。
まずはレースに先立ち、チームメンバーの児玉さんが体調不良により参加できなくなったため、名古屋在住のメンバーと縁の深い竹下さんに急遽お願いしました。また、練習には副田さんにご協力いただきました。竹下さんとの練習は一回のみでしたが、それでも息はピッタリでした。
チームでの練習は多くはありませんでしたが、風に恵まれて充実した練習になりました。アフターも毎回居酒屋「なかいち」にて、お店の名前の焼酎を囲みながら楽しいひとときを過ごしました。
さて本番のレースでは、成績表からも分かるように、むしろハラハラの連続でした。
最後に、スキッパー堀江さんからメンバーに宛てたメッセージを引用します。
個人的には、今回のレースにはいろいろな想いを持って臨んでおりました。
レースに出られなくなった児玉さんの無念な想い、レースメンバーとして参加したかったであろう副田さんの複雑な想い。
そしてもう一つ、最後までこの大会への参加を望んでいたであろう、亡き竹内さんへの想い。
児玉さんの交代要員として竹ちゃんに参加してもらったことで、結果的に竹内さんと関わりの深いメンバーでのチームとなりました。
竹内さんに少しは褒めてもらえるかな……。
準優勝:HONU(ホヌ)
メインシートトリマー、金子述。
忘れられない言葉がある。
「この景色を見せてあげたい」
全日本初日の2レース目、会心の出来となったチームホヌ船上での松田艇長が放った言葉である。
トリムに夢中で、いつ頃のことだったか定かでない。
天候に恵まれず、満足な練習が重ねられないまま迎えた本番。
それぞれが抱えていた不安や焦り、漂っていた気配を霧消させる、気持ちのいい言葉だった。
未熟な水田、金子のブラインド二人、こころの眼でしかと見たぜ。
遮るもののない、勝者の風景・・・。
この貴重な経験を再び、いやもっともっと味わうため、これからもよりチーム練習に励みたいと思っている。
1点反省すべきは、安西さん、水田さん、金子3人、レース初日の夜に飲みすぎたことである。松田さんゴメンナサイ。
第3位:Team ALBA(チーム アルバ)
ヘルムスパーソン、菊池 真実。
私たちALBA(アルバ)は、2019年に結成してから本大会で5年目になる。
この感想文を書くにあたりチームメンバーから思いを聞かせてもらった。
今回のレースでは、皆、反省と課題を多く感じているようだった。
しかし、秋山さんの分析力と戦略、村瀬さんの技術力とコミュニケーション力、殿垣内さんの冷静さと優しさ。その全てがあったからこそ、ALBAでは最高の時間を過ごすことができた。
本大会開催に受けて、尽力してくださった実行委員長はじめ、マリーナの方々、その他多くのスタッフの方々に、ALBAチームを代表して心から感謝を申し上げたい。
BBQパーティーなどでは、JBSA仲間たちやゲスト、マリーナの方々と親睦を深められ、とても素晴らしい時間を過ごすことができた。
苦難の人生に希望の光を与えてくれたブラインドセーリングを通して、みんなで前に進んでいき、この先、色々な世界へJBSAの仲間たちと、羽ばたいていけたら。この願いが形になった5年間と本大会だった。ありがとうございました。
第4位:湘南の風(ショウナンノカゼ)
サイテッドスキッパー、中尾 義一。
神奈川支部唯一のブラインドの飯塚さんとサイテッドのアランさんが全日本に出場したいという意思を示していました。
そこで私がサイテッドスキッパーをやり、東京在住で東海支部所属の望月さんにヘルムスを打診しました。
望月さんは東海支部からも声が掛かっているので、しばらく待って欲しいとの事でしたが、結果として引受けて頂きました。チーム名をどうしようかと話は出ていましたが、なかなかまとまらずチーム内のLineはTeam-Toriaezuで活動していました。
しかし9月10日の申し込み締め切り日が迫り、8月31日の練習予定日が雨予報なので横浜に集合して話し合い、チーム名を『湘南の風』と決めエントリーする事が出来ました。
どのチームも一緒だと思いますが、台風の影響等で練習出来ない事がありました。
レースの反省点はスタートに失敗していたという点です。これは大いに私に責任があるので、今後はチーム練習をして上位3チームを脅かす存在になりたいと思いました。
最後に運営の皆様、艇や場所を提供して頂いた三河みとマリーナの皆様にお礼を申し上げます。ありがとうございました。
第5位:やまいも(ヤマイモ)
ヘルムスパーソン、森崎繁樹。
「やまいも」はメンバーの頭文字をあわせたもの。結成は遅く、練習不足をチームワークで補い、とにかく最下位は避けるとの目標を掲げ、全日本に臨んだ。しかし現実は甘くなく全て5位という惨憺たるものとなった。
スタートは良かったり悪かったり。なんといっても走り負けたのが最大の敗因。セールの形が決まらない。タック・ジャイブで向きを決められない。シートの出し入れが遅れる。乗船位置が悪くスタンが下がっているなど。基本的な操作ができなかった。スキッパーの柳川さんは自分の技量のなさとおっしゃるが、イメージする走りに3名がついていけなかった。
全日本には独特の空気があった。他艇のセールの音・波を切る音。並走する際の緊張感。反省しきりであったが、無事にレースを終えることができた安堵感と充実感。他支部のメンバーとの交流など。
とても楽しい2日間をありがとうございました。浜名湖や三河湾で「やまいも」の土を洗い落として、出直したいと思います。