2023 3支部合同合宿(浜名湖)
JBSAブラインドセーリング 3支部合同合宿レポート
主催:NPO法人 日本視覚障害者セーリング協会 (JBSA)
現地責任者:理事長 森崎 茂樹、東海支部長 山田 剛司
レース責任者:東海支部 名畑 哲郎
開催目的:JBSA3支部(東京、神奈川、東海)が日頃行っているセーリング活動の技術向上、安全志向強化、海洋文化醸成、会員相互の親睦などを「3支部合同合宿」を通して更に高めることを目的とする。
開催地:静岡県立 三ケ日青年の家 及び浜名湖周辺海域
開催日:2023年10月27日(金)~29日(日)
参加者:22名
開催内容:ヨット(YAMAHA-23 2隻)を使ったトレーニング・マッチレース 及び 3支部親睦イベント
レース艇のYAMAHA-23の2隻は当会のメンバーであるオーナーより提供されました。
開催概要
ブラインドセーリングとは、視覚障がい者(ブラインド)と、晴眼者(サイテッド)が、役割を分担してヨットを操船するスポーツです。
舵をとる「ヘルムスパーソン」はブラインドが、大きな帆のメインセールをコントロールする「メイントリマー」もブラインドが担当します。
ヨットの前方にある小さな帆のジブセールはサイテッドの「ジブトリマー」が担当し、全体の状況を見たり指示をだしたり船長の「スキッパー」はサイテッドが担当します。(公式のレースは4名でのチーム編成です)
今回の支部対抗の練習レースの目的は正式な役割分担ではなく、サイテッドスキッパーは安全上晴眼者に固定しましたが、全メンバーがヨットレースに必要となる全ポジションを均等に経験し、ヨットレースの全体像を経験値として知り、更なるチームワーク力の醸成をする機会としました。
各支部とも7人から8人のメンバーが参加しているため、各人が4レースほど参加できるように調整してレースを行いました。
開催内容
10月28日(土曜日)
前日に東海支部メンバーにより、レース艇のYAMAHA-23は回航、運営ボートも準備万端となっておりました。一部の参加者も、前日から三ケ日に前泊して準備してくださいました。
28日の初日は快晴で強風です。普段の艇ではないため、乗り慣れていない東京・神奈川チームは、午前中に練習で出艇しました。
運営チーム(選手と兼任)で検討して、練習時にはワンポイントリーフ(メインセールを小さくして帆走しやすくする)をツーポイントリーフにして本日のレースを進めるように決定しました。
一部の東京・神奈川チームのメンバーが渋滞のため遅れる情報がありましたが、すでに到着しているメンバーで13時45分に第一レースをスタートしました。
コースは風上700m程度にマークを設置し、風上から風下へのコースを2周してスタートマークでフィニッシュになります。
岸よりから吹いてくる西風で強弱が激しく(平均7-8mのため)ヘルムスパーソンとメインシートトリマーの連携が重要になりました。
支部ごとに交互に乗り換えをして初日は3レースを行いました。
レース後には、レセプションのバーベキューパーティーを行い、全参加選手の親睦を図りました。特に東海支部の活動は、浜名湖・三河湾ですので、関東は東京湾・相模湾でセーリングをしているため、普段の交流が少ないのでこの機会で様々な交流を図ることができました。
10月29日(日曜日)
本日も快晴でスタートです。昨日より少し風が落ちたため、運営チームで協議の結果、本日はワンポイントリーフに決定。
風速は6-7mで午前中に3レースを行い、昼食のため全員陸に戻りました。昼食時もレース談義に花が咲きましたが、午後の出艇の時間となりました。
昼食後は2レースを行い合計8レースを行いました。
参加者は各々4レースほど選手としての参加ができ、陸上で交流をしたり、ブラインドセイラーも運営艇でフラッグ担当などを行ったりと、ヨットレース全般 に参加をするような大会となりました。
成績
神奈川支部 6戦→5勝1敗
東海支部 5戦→2勝3敗
東京支部 5戦→1勝4敗
計 8レース(3チームで全8レースとなります)
セーリングを始めて間もないメンバーもおり、当初の目的どおり勝敗よりもヨットレースの楽しさとメンバーの親睦に重きを置いていたため、表彰をあえて行いませんでした。
楽しく実りのある2日間でした。帰り道で、レース艇を三ケ日から富士マリーナまで回航していくのを横目に見ながら帰路につきました。
準備、当日の運営、レセプション、宿泊など、多岐にわたり東海支部メンバーが多大な貢献をされておりました。ありがとうございました。
来年は三河みとマリーナで全日本選手権を予定しております。
荒木裕実
写真:荒木 裕実、名畑 哲郎