「セイラビリティ江の島ハンザクラス交流レガッタ2022」参加報告
JBSAの皆様
秋山です。
5月14日、15日と江の島においてハンザ交流レガッタが開催されました。
この大会は本年度本部事業として計画されているもので、本大会にはJBSAとして参加させていただきましたので、以下に報告いたします。
なお、報告書はWordファイルで添付いたしましたが、本メールの以下にテキストでも貼付させていただきました。また併せて、当日の写真も添付いたしました。
内容は、報告書本文に続いて、大塚さん、飯塚さんの参加感想レポートが掲載されています。
以下報告書
■セイラビリティ江の島ハンザクラス交流レガッタ2022 参加報告
2022年5月14日(土)、15日(日)の2日間、江の島ヨットハーバー(湘南港)に於いて「セイラビリティ江の島ハンザクラス交流レガッタ2022」が開催されました。新型コロナ感染症の影響や東京オリンピック2020セーリング競技開催などによって、3年振りとなった本大会にJBSAも参加させていただきましたので、以下概要を報告いたします。
この大会は、セーリングを通して海の障害者スポーツの発展を促進し、同時に全国セイラビリティ団体との交流を深めることを目的に開催されており、障害のあるなしに関わらずあらゆる年齢層の人々が参加して、自分の新しい能力や可能性の再発見を図ることを目的に企画されています。JBSAとしては2018年の初参加以来、今回で3回目の参加となります。
▪大会名:セイラビリティ江の島ハンザクラス交流レガッタ2022
▪共同主催:NPO法人セイラビリティ江の島 神奈川県セーリング連盟
日本ハンザクラス協会
▪後援:藤沢市
▪開催場所:江の島ヨットハーバー(湘南港)
▪大会期間:2022年5月14日(土)~15日(日)
▪競技クラス:ハンザクラス2.3シングル、2.3ダブル、303シングル、303ダブル(JBSAは303ダブルに2チームエントリーしました)
▪日程:
5月14日(土)
11:00 受付
12:00 開会式およびレース説明
13:55 第1レースの予告信号
5月15日(日)
9:15 最初のレースの予告信号
15:00 表彰式および閉会式
▪参加団体:14団体
▪JBSA参加者:6名(敬称略)
ブラインド:大塚、飯塚 (2名)
サイテッド:猿渡、アラン・スモーレン、中尾、秋山(4名)
*選手以外、中尾さんにはJSAF障がい者セーリング推進委員会委員としての立場で、秋山は主催セイラビリティ江の島との窓口担当として参加しています。
▪エントリークラス及びチーム分け
303ダブルA:大塚、猿渡組
303ダブルB:飯塚、スモーレン組
◆レース概況
初日14日(土)、前日から続いていた強風は午前中には落ち始め、12:00からの開会式に引き続いて2.3シングルクラスの予告信号が予定通り13:55に発せられた。この頃には風は3m/sほどまで落ちたが、参加13艇は素早く風をとらえ気持ちよくスタートしていった。JBSAの2チームがエントリーした303ダブルは、クラス最後のスタートとなり風は1~2m/sでブローが気ままに入るというシフティーで難しいコンディションの中でのスタートとなった。大塚艇、飯塚艇ともにハンザクラスは初めての経験ということもあり、スタート前のマニューバリングから苦戦の様子かうかがえたが、チーム2人息を合わせ、上マーク、下マークと何とか他艇に遅れをとらないようにとついていったが、2周目の下マークに向かう頃には大分差をつけられてしまった。しかしながら2艇ともパートナー同士協力し合ってセーリングを続け、最後まで諦めず完走を果たした。初日はこの1レースで終了した。
2日目15日(日)、早朝から各クラスともに2レースが行われ、JBSAの2チームは初めて乗る不慣れな艇にもかかわらず、昨日とは変わって他艇とも競って走れるようになり2レースとも善戦した。しかしながら細かいところでの艇のコントロールに苦戦し、着順は初日と同じような順位となったが、2日目の上達ぶりは目を見張るものがあり、そのセーリングは、時に見事な滑りを見せていた。
◆成績表
(クラス、チーム、1レース目、2レース目、3レース目、総合順位の順)
303ダブル;飯塚、スモーレン組、12位、12位、10位、総合11位(13艇中)
303ダブル;大塚、猿渡組 13位、11位、11位、総合12位(13艇中)
◆まとめ
今回ハンザクラス303を使用してのレースに参加しましたが、JBSAの参加者はブラインド、サイテッドともに全く初めて乗る船でのぶっつけ本番レースとなりました。しかしながら、JBSA艇は苦労しながらも完走することができ、今後への期待を感じさせました。初日のレースでは2艇とも遅れをとり、先行する艇とは1レグほど離されながらも最後まで完走したことについて、閉会式のレース委員長からの
レース講評で「最後まで諦めずフィニッシュまで走り切ったその姿に感動した」とのコメントを皆さんの前で話していただけたことはとても嬉しいことでした。今回の帆走指示書では「トップ艇フィニッシュ後15分以内にフィニッシュしない艇はDNF」と規定されているところ、30分近くも遅れてフィニッシュした艇に対し、本部船からは励ましの声が飛び、また複数のサポートボートまでもが近くまで寄って応援の声がけをしてくださった。さらには規定を急遽変更してまでそのフィニッシュを認めていただいたことには、挑戦する者へのコミッティの愛情を感じました。
今回の挑戦は、10月のブラインドセーリング全日本大会に向けても貴重な経験となったことは間違いのないところで、レースに臨むにあたってのルールはもとより、レース全体の流れやスタートに対する知識なども含め、良い体験ができたのではないかと思います。
また一方では、今大会の目標の一つでもある他団体との交流も盛んに行うこともできました。三重や横浜のセイラビリティの方からは、ぜひ一度来てほしいと声をかけられたりもして、その交流の成果も得られ、将来に向けてお互いに行き来できるような機会が作れればより良いのではと思います。
以上
2022年5月19日
報告:秋山淳
以下に、参加した大塚さん、飯塚さんのレポートを掲載します。
大塚さんの参加レポート
私は、湘南レースに参戦するルミナスに同乗させていただいたことはありましたが、クルーとしてレースに参加するのは初めての経験でした。ハンザのレースは3回のレースが2日にわたり開催され、その合計点を
競うものでした。
レースの結果といえば、13艇中13位。
参加者皆さんの実力と自分のスキルのなさを思い知らされた2日間でした。「視覚障害者の実力はこんなものだ」と思わせてしまったことに申し訳ない気持ちになりましたが、視覚障害者以外の障害者との交流や、地方障害者セーリング団体との交流を行う事が出来、皆さんの熱気を感じられたことは、自分への励ましとなりました。
とても楽しかったので、皆さん是非参加してみてください。私より低い成績になることはないので、安心して参加できますよ。
大塚淳司
飯塚さんの参加レポート
江の島レガッタに参加して
ヨットレースに出るなんて生まれて初めてである。船の操作もまともにできないのに、全く不安である。
相棒のアランに頼るしかない。
そこで目標を立てた、
- 船同士の衝突を避けること
- 最後まで完走すること
の二つをあげ、また、次のルールを考えた。 - 舵のスティックは飯塚が担当し、
- メインシートとジブシートはアランが担当する
- 指示はアランが出し、飯塚がそれに従う
- スティックの操作は、左123、右123、中心は0とする。
以上をアランに話し、了解した。
大会の2日間は雨を想定していたが、結果、雨は降らず助かった。
コースの配置が理解出来ずアランに聞いて概略を理解した。ブラインドの辛い所である。
レース中は愉快にやればいいよ、とアランは言ってくれた。
レース中は楽しむどころではなく、緊張の連続であった。
2日間で3レースがあり、心身とも疲れ果てた感じである。
レース後に表彰式があり、その最後に視覚障害の部で特別賞を頂いた。
13艇中11番だったので、受賞の意味が解らず戸惑いがあったが、貰ってしまった。
アラン・スモーレン、有り難う!
飯塚洋一
以上